臼木邦江 KUNIE USUKI

広島県尾道市出身。幼少期の遊び場は自然豊かな瀬戸内海。祖父の舟で連れていかれた無人島で真っ黒に日焼けして走りまわる日々。上京後、建築デザインオフィス勤務、スタイリストを経て、1994年、デザイン・フェスタ(注)を立ち上げる。オリジナルデザインであればジャンルを問わず審査なしに参加可能という、これまでの壁を取り払ったユニークなコンセプトをたて、ディレクターとして、認知や規模拡大に努めてきた。

立ちあげから15年、そのデザイン・フェスタにひと区切りつけ、次に手掛けることになるのが「どこでも茶会」。きっかけは、デザイン・フェスタ・ギャラリーで時折開催してきた我流のお茶会に多くの若者や外国人が集まり、それは楽しそうにコミュニケーションを深め、周りに気配りしながら自然とお茶に親しむ姿を目の当たりにしてきたからだ。

人々が自信を失いかけ、ますます生きていくのがしんどくなってきた今の世の中に、背筋を伸ばし、凛と構えるカッコよさをお茶は教えてくれる。日本の美しい伝統を感じ、季節を味わい、心に余裕が生まれ自信も芽生え、疲れた心に潤いを注ぐ・・・長い歴史や伝統の様式を伝える人々に敬意を払いつつ、私自身が素晴らしい先生との出会いによって感じたお茶の世界の魅力や楽しさを、私なりの方法で多くの人に伝えたいと思う。

 

注:デザイン・フェスタ
1994年より東京ビッグサイトで年2回開催されてきたこのイベントは、出展者来場者あわせ、5万人を優に超える人が集うイベントとなり、多くのアーティストも生まれた。同時に今の日本のカルチャーを象徴するアイコンのひとつと捉えられることも多く、多数の国内外のメディアで取り上げられ、80ヶ国に及ぶ海外からの出展者や来場者、大使館が自国アーティストを紹介する場として、また、生きた教育の実践の場として学校関係の出展など、デザインやアートをキーワードに、国境を超えた巨大なコミュニケーションの場となった。